最初のエナフェイズに貴方はどうする?
「初手にエナチャするかってどうやって決めてるんですか?」
ヨボヨボのWIXOSSおじは意外に感じるのではないかと思いますが、対戦後に聞かれることが多い質問のひとつです。
多くのカードゲームは、大なり小なりプレイの分岐が発生する局面が存在します。
プレイの介在余地があまり多くないと言われるWIXOSSのディーヴァセレクションにおいてもそれは例外ではありません。
その中でも初手のエナフェイズにエナを置くか置かないかというのは、このゲームにおける最初の分岐です。
故に、縺れた戦況における分岐よりも悩んだという事実を忘れにくく、より良いプレイをしたいと思った方が最初に改善しようと意識するポイントになりやすいのだと思います。知らんけど
ただ非常に嘆かわしいことに、長く遊んでいるプレイヤーの中でも、明確な理由もなく適当に流されがちな部分でもあります。
実際のところ、初手のエナチャージはした方がいいのでしょうか。
私なりに考えをまとめてみました。
※明言していない場合は基本的に先攻想定で話を進めていきます
case1. カードのテキストから判断する
比較的オーソドックスな電音部アキノのリストだと思います。
私がこのデッキを使う時は、初手のエナチャージは行う場合が多いと思います。
条件を達成した《りむる》を2体立てることができれば、返しの相手ターンの点数要求を抑えられる可能性はグッと高まります。
《りむる》の存在が、初手にエナを置く理由になり得るという考え方ですね。
似たような例として、後攻1ターン目に《ワウルフ//ディソナ》や《ムジカ//ディソナ》の効果を使うために、初手でディソナカードをエナに置くというものがあります。
点数に関してはなんぼ取ってもええですからということで普段意識せずに行っている方も多いと思いますが、これも特定のカードの存在で初手のエナフェイズの行動を決めるパターンのひとつですね。
case2. 自分のデッキリストから判断する
あまり現在のディーセレに即した例でなくて申し訳ないのですが、1年位前に流行っていた手札破壊軸のリメンバのリストです。
私がこのデッキを使っていた際は、初手でレベル1シグニが2体出せるのであれば、白のカードをエナチャージするようにしていました。
理由は、この構築の色配分にあります。
リメンバはグロウコストに白エナを要求しますが、このデッキは白のカードの採用枚数を絞った構築です(白:青:黒:無=13:15:8:4)。
そのためライフクロスからグロウするのに使えるエナが発生しないということは現実的に起こり得る事態です。
初手に白エナを置かなかった場合、こちらの盤面のシグニがバニッシュされず、ライフクロスから白エナとして使えるカードが捲れなかった際、追加でエナを貰うためにサーバントを持っていながらルリグアタックを受けることになったり、レベル3へのグロウをスキップする羽目になりかねません。
仮にサーバント4枚以外の36枚が白のカードで構成された構築であれば必要のない懸念ですが、この構築の場合は少し色配分が歪なため、グロウ事故回避の保険のためにエナを置くという考え方ですね。
ただ、色配分以外の要素でそれが覆ることも往々にしてあります。
今回は例としてディソナピルルクのリストを引っ張ってきました。
リメンバと同様にメインデッキは3色の構成であり、リメンバほどグロウコストに必要な色を削っている訳ではないものの、色配分も似ています(青:赤:緑:無=16:11:9:4)。
しかしこの構築の場合、グロウ事故回避のためという理由で初手で青エナを置く必要はありません。
アシストルリグに、トラッシュから任意のカードをエナに置ける《メル・リバイズ》が採用されているためです。
初手で青エナを置かず、ライフクロスから青エナが発生しなかった場合でも、2ターン目に青エナをチャージしてグロウ。
その後メルでグロウコストに使った青いカードをトラッシュからエナに戻せば、リメンバの事例とは異なり、ほぼレベル3へのグロウを確定できます。
メインデッキの構成だけではなく、アシストルリグや採用ピース次第でも選択は変わってくるということは念頭に置いておきたいですね。
case3. 対面のデッキ内容を推測し判断する
今回も引き続きディソナピルルクのリストを用いて話を進めていきます。
この構築は以下のような戦術・性質を持ちます。
1.できれば2ターン目に《不穏》と《EXTRA》《イシガメ》を併用し相手の手札を全破壊したい
→最序盤からグロウコストとは別に青エナが複数枚必要となることが多い
2.手札を失った場合、エナだけあっても何もできなくなりがち
→手札が0枚になることがないよう立ち回りたい
話を端折るためにざっくりまとめているだけなので、「そういうものなのか」と聞き流していただいてOKです。
自分のデッキがどのような性質を持っているのかは、プレイを選択する上で大きな指針になるのでできるだけ把握しておきたいですが、こればかりは各々で見出していくしかない部分も大きいです。
とりあえずいっぱい遊んで、自分のデッキへの理解度を上げていきましょう。
case2の項目で述べたように、グロウ事故の回避のために初手のエナチャージを行う必要はない構築ですが、1.のような戦術を取るため、エナチャージをしなくていいかはまた別の問題であることがわかります。
固定観念に囚われず、初期手札の内容も踏まえて柔軟に判断していくことが大切です。
ここからは自分がこのディソナピルルクを使ってバトルをしているという想定で、初手のエナフェイズでエナを置くかどうかを考えてみましょう。
ルリグをオープンした際、対面のルリグが以下のような並びであった場合はどうでしょうか。
センタールリグ 白タマ
アシストルリグ ウムル/メル
白タマのセンタールリグは1種類なので、ルリグアタック主体で攻めてくるということは読み取れます。
大会結果をよく見ている方であれば、ピース《カオス!chaos!混沌!》を軸にした構築だと推測できるかもしれませんね。
白タマは序盤の点取りをディソナシグニのようなバニッシュ主体で行う構築と、白いカード特有のバウンスで序盤からエナを与えないように攻めてくる構築が存在しますが、どちらの場合でも、レベル3以降、ルリグアタック回数を増やせる白タマと相性の良い《リメンバ//メモリア》を用いてこちらのエナに負荷をかけてくる可能性が高いと考えられます。
パワーラインの高い《リメンバ//メモリア》を出された場合、こちらは《リメンバ//メモリア》の効果でコストが増加した《バン//ディソナ》の起動効果で《リメンバ//メモリア》を除去するということもあり得るかもしれません。
そうした展開を見越した場合、初手からしっかりエナを貯めて後半戦に備えるというプレイ指針を立てることができます。
相手の戦術を推測し、それに対応できるような選択をするという考えの一例ですね。
もうひとつ別の例で考えてみましょう。
対面のルリグが以下のような並びであった場合はどうでしょうか。
センタールリグ ナナシ
アシストルリグ レイ/メル
これも流行を丁寧に追っている方であれば一昔前に流行った、所謂「不穏レイ」ギミックを採用したナナシであると推測できるかもしれません。
ただ、デッキタイプに関する知識がない場合でもある程度の推測は立てられます。
目を惹くのはアシストルリグとして採用されているレイです。
レイのアシストルリグはどのデッキにも思考停止で入るような類のものではないため、わざわざレイを選択しているということは他のアシストルリグではできない芸当である《月華》《無我斬》の手札破壊ギミックを採用しているのではないかと検討をつけることはできます。
大量の手札破壊が飛んでくると予測できる場合、取れる対応は大きく2パターンに分かれます。
ひとつは手札を持つことは諦めて手札以外の場所にリソースを逃がす等、手札を使い切ってしまうという対応。
もうひとつは相手の手札破壊で奪われる以上の手札を握りこむという対応です。
こちらは《羽化》や《バクチク》《イシガメ》等を採用しているため、やろうと思えば手札を使い切り、他の領域にリソースを逃がすような動きを取ることは可能です。
ただ、ここで思い出していただきたいのはディソナピルルクデッキがどのような性質を持っているかという点です。
使っている構築の性質を考慮した場合、手札を投げ捨てるような動きを取ったとしてもあまり状況は好転しないと考えられます。
そのため、できるだけ手札枚数を維持するように立ち回り、相手の手札破壊ギミックに手札枚数で勝負を仕掛けるというプレイ指針を立てることができます。
この指針に従うのであれば、極力エナチャージは行わず、手札を減らさないような選択を取るということになりますね。
相手の戦術の推測と自分の構築、二つの要素の掛け算から回答を出す例です。
総括
いかがでしたか?
今回は初手のエナチャージをするかどうかを書いてきましたが、行うべきかどうかはよくわかりませんでした!
エナチャージはした方がいいこともあればそうではないこともあるようですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
何かあればX(@fyra_coffee)までお願いします。