【環境考察】熱帯夜と見るK07キーセレ環境
今回はオルタナティブ環境とエクスプロード環境のキーセレクションを入賞ルリグの分布から見ていく記事になります。前回オールスターでも同じ企画をやったので、キーセレに別れを告げた方々はそっちを見ていただければと思います。
今回もデータ集計はWIXOSSBOXさんとTwitterを併用して集めたものになります。あくまで個人で集計したものですので参考程度にお考え下さい。また、詳細な構築が気になったらWIXOSSBOXで確認してみてください。
K06環境デッキ分布
4月22日から6月22日におけるウィクロスセレモニーおよび個人主催大会の4位以上のデッキを集計したものになります。
K06環境雑感
ウリスが上位の3割ほどを占め、ウムルと夢限がそれに次ぐ形となっています。ただ、夢限の入賞は徐々に減っていく傾向にあり、K05環境からプレイヤーの思考が切り替わっていない時期に入賞数を稼いでいることが集計の際に読み取れました。
とは言え夢限が進化を止めているという訳ではなく、リソース干渉能力に長けたウリスやウムルに対抗するべく《レイラキー》を採用した構築が入賞したり、K06で登場した《フリーダム団 ワイルドライガー》を採用した青軸の構築が流行するなど、その自由度の高さを活かして時代の変化に適応しています。
K07環境前半デッキ分布
6月30日から7月28日におけるウィクロスセレモニーおよび個人主催大会の4位以上のデッキを集計したものになります。
K07環境前半雑感
前弾環境と変わらずウリスが入賞の3割ほどを占めていますが、K07で登場した華代がそれを追う形に。2で止まって戦う戦術と相性が悪いためか夢限はその数を大きく減らしました。
注目したいのはカーニバルの台頭です。4で止まって《アルテマキー》でコントロールを行う構築と、《焚発する知識》を採用したレベル5に上がる構築が同時に環境に姿を見せたため、ルリグ単位で見ると一気にその数を増やしました(4止め2件、5乗り5件)。翠子も《聖援サシェキー》を採用した型が複数回入賞を果たし、少しその数を増やしています。
逆に、デッキに採用されるシグニのパワーが上昇してきたためか、ピルルクやリルはその数を大きく減らしています。
メタゲーム考察
こんな感じかなと思ったのをつらつらと書いています。
※個人の感想です
便利なチアガール
オルタナティブ環境を語るにあたって、ウリスは真っ先にスポットを当てるべきルリグであると言えます。彼女はそのスペックの高さによって、登場直後から颯爽と環境トップの座に居座りました。
コイン技「ディスペア」の分だけ他のルリグと防御力に差をつけられる点や、ルリグの起動能力により毎ターン1枚ずつリソースを奪うことができる点など、ウリスの優れている点は挙げればキリがないほどあります。
しかし環境に一番影響を与えたのは間違いなくウリスの準限定キーである《魅惑ハナレキー》でしょう。このキーの存在によってレベル1でパワー2000(以下1/2000と表記)以下、2/4000以下のシグニは手札1枚で割られ、次のターンに面を埋めるために使えないという難点を抱えることとなりました。埋められなければ結果的に手札1枚で2点取られることになるので、防御数が限られているキーセレでは致命的です。特にパワー1000のシグニは、コストで《ボラゴ》を切られることでついでのように焼かれてしまうため、採用する際にはかなりのリスクが生じるようになりました。
カギは”バニラ”?
《魅惑ハナレキー》によってパワーラインが重要になった環境に真っ先に適応したのもまたウリスでした。
ルリグデッキの外に防御手段がないキーセレは「序盤の1点と終盤の1点の重さはほぼ変わらない」という性質があります。そのため、今までのキーセレでは《ラハブ》等のレベル2アタッカーに枠を割いて、 序盤から少しでも点を取るというのが一種のセオリーでした。しかし《魅惑ハナレキー》は(よっぽど落ち方が悪くなければ)出現時効果で《ソウイキー》等と同等のリソースを確保しつつ、メインデッキに依存せずに速攻を行うことを可能にします。つまりウリスは、他のデッキが《ラハブ》のようなカードに割く枠を使って他のことができるということです。そこで採用されたのがこのカード。
能力を持たない、所謂"バニラ"シグニですね。ウリスはこの《スワード》と、条件を満たすことで1/5000のラインを作れる《ベビドラ》を使うことでライフを守りやすくしています。ウリス以外にもパワーラインを参照して速攻を仕掛けるデッキは多く、バニラシグニはそれらに対するメタカードであると言えます。余った枠を使って防御力を高められるという点もウリスの強さを大きく支える要素であり、その枠を生み出す《魅惑ハナレキー》のカードパワーの高さを感じさせます。
【ゲート】の魔法
ウリスの同期として登場したウムルも、序盤のパワーラインが重視される新たなキーセレ環境に素早く適応した一人です。今回は《APEXキー》を使った構築にスポットを当てていきたいと思います。
《APEXキー》は《ゲット・アヴァロン》や《狂想の滅炎》を併用することで最大4点分の攻撃を止めることが可能で、キーセレにおいて最も出力の高い防御手段になります。しかし高い最大値を持つ分癖の強いカードでもあり、《ハッピー5》の除外効果や《ジャイキリ》等のスペルカットインで干渉される点、エナの消費が嵩む点など意識しなければならない要素は多いと言えるでしょう。
一番の課題は、ある程度スペルに枠を割かないと十分な性能を発揮できないという点。オールスターと比べ、バランス良くデッキを構築する必要のあるキーセレでこの問題を解決するためには何かしらの工夫が必要になってきます。
これをウムルは《ユキキー》を採用し、下級シグニの採用枚数を極限まで減らすことで解決しました。序盤はバニラシグニ(白タッチの構築であれば《リュック》も)を並べてできるだけ多く盾を残し、強力な《APEXキー》が活きる後半戦に賭ける構成になっています。盾を多く残すことで【ゲート】の試行回数を増やすことができるという点もウムルの性質にマッチしています。
ウリスとウムルに共通することとして、単体では壁にしかならないバニラシグニを採用しても戦える理由がしっかり存在するというのがあります。能力を持たないからこそ、採用する際にはちゃんと理由を持たせてあげる必要があるということでしょうか。
エクスプロードによる変化
エクスプロードのカードで一番注目を集めたのは《炎真爛漫》だと思います。ソースは値段
レベル2で速攻を行う華代は、《炎真爛漫》の突破力もあり、すぐにトーナメントシーンの上位に姿を見せました。ルリグデッキの7枠に何を入れるかがプレイヤーによってかなり変わってくるため、対面した際に「構成を読みにくい」というのも厄介です。
構築の多様性から一貫して言える注意事項が少ないのが悩ましいですが、華代側が序盤からコイン消費の小さい《鎮護国禍》のようなキーで攻めてきた場合は《ゆきめキー》の存在を意識して防御札を切っていく必要があります。無警戒でいると即死なので(3敗)
華代に意識を向けるとつい忘れがちですが、メルも無視できないシェア率を誇ります。華代の速攻に対して不利がつくため入賞数はそこまで多くもないですが、バニッシュ耐性を継続して付与できることから、その存在によって、バニッシュによる防御が信頼できないという環境を作り上げています。
最後に
ウリスが多すぎてびっくりですね。特にK06環境はキーもチアハナレと華代でほぼ固定だったので無限に同じ文字列を見る羽目になって爆笑してました。
あと、結果を見て気づいた方もいるかもしれませんが、K06環境は2か月、K07環境は1か月間の結果を集計しているのに入賞デッキの数自体はほとんど変わらないんですよね。K07環境になってキーセレクションが盛り上がってきているのを感じるので、個人的にはちょっとうれしい発見でした。
K07環境もそろそろ折り返しということで、本格的にメタが回り始めるのはこれからだと思います。どのように環境が変化していくのか、どのようなデッキが生み出されていくのか楽しみで夜も眠れませんね。
…なんか最近部屋を涼しくしてるのに夜眠れないんですよね。安眠法とかあったら普通に教えて欲しい……
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